保護者コンサルティングルーム

○場面指導

部活動と学習との両立に悩む保護者から、担任に相談がありました。

あなたは、どう対応しますか。

部活動を継続することが

生徒の将来にとっても大切なことです。

 

以前、難関大学に合格した生徒の保護者は

過干渉ではなかった、と述べました。

 

たしかに、クラスの担任をしていたときのことを思い出すと

いわゆる難関大学に合格した生徒の保護者から

このような相談を受けたことは一件もありませんでした。

 

京都大学に合格した生徒

卓球部に所属、卓球部は関東大会、インターハイに出場する強豪部の一つでした。

部活動の終了はいつも午後7時過ぎです。

 

授業態度

どの授業もきらきらした瞳で取り組みます。

受験科目ではない授業も一生懸命取り組みます。

（このような姿勢の生徒は合格していました。

これを家庭科の法則といいます。当時の先生方でネーミングしました。後日それについては述べます。

 

三者面談の日

本人に普段学習時間はどう確保しているの？と聞きました。

本人曰く

寝る時間を決めて、その時間に合わせて

教科ごとに60分学習

休憩10分

と実際の大学の試験時間に合わせて学習しています。

だらだらとやっても効果がないので。

そして、必ず次の日の授業でやるところに目を通しています。

だから、授業を聞くのが楽しいです。

 

お母さんは息子の話をにこにこしながら聞いています。

 

ときどき親子で顔見合わせてにっこり笑っています。

なにか、ご心配なことはありますか？

 

とお母さんに聞いてみました。

すると

小さい時から

自分のことは自分でするように育ててきましたから。

部活動も悔いなくやっています。

大学のことも本人の希望が叶えばよいと思います。

 

と、穏やかな表情で答えてくれました。

 

親子の信頼関係が強いことが空気感でわかります。

 

（面談もいろんなケースがあり、

お母さんがしゃべりっぱなし、息子はそっぽむいてる

面談の最中親子けんかが始まったケースもありました。）

 

（長年担任をやっていると、

空気感で親子関係がわかります。）

 

その生徒は見事部活動もやり遂げ、京都大学に現役合格しました。

 

合格発表後、挨拶にもきてくれました。お母さんに話を聞きました。

子育てになにか秘訣があるのだと思い

小さいころから

自分の手が届くものは自分で取る

勉強しなさい

という声かけではなく

自分の時間の使い方を考えさせていた。

そして

物事に対して

できない理由を探すのではなく、

どんな状況でも

できる条件を自ら

作るように育ててきました。

言い訳はしない子どもに育ててきました。

と。

納得

 

つまり、部活動がきつくても、疲れていても、時間がなくても

時間を自らつくり、その時間を本人が有効活用できるように

小さいころから育ててきた。

 

だからこそ部活動と学習の両立ができた。

 

本人にとっては小さいころからの習慣なので、たいしたことではなかったのだと思います。

 

難関大学（高校）に合格する生徒の

保護者は

 

小さいころからの本人の良い意味での自立を促す

 

深い信頼関係

 

そして懐の深さ

 

の共通点がある。

 

このことを

進学校に勤務していて

実感しました。